いま、なぜ、おお麻なのか
おお麻(ヘンプ)製品を販売するようになった経緯、自分のいまの思いをまとめてみました。ご一読いただければ幸いです。(2019.2.1 現状に合わせて内容を更新しました) 1.私のルーツ 私の父は建具職人。祖父は土木系の職、曾祖父は屋根葺きをしていたようです。職人の家系なのかと思っていて、自分にもその血が流れていると考えると何か気になることがあります。 なんでかというとなぜ自分が職人になっていないか、、、子どもの頃、母(父の仕事を手伝っているのをよく見ました。母も器用だと思います)に言われたことを思い出します。「建具は細かい割に儲からないから跡は継がないように」。当時特に跡を継ぎたいと思わなかったですし、父も別に何も言わなかったので私はサラリーマンの道をたどることになりました。 最初の仕事は機械設計。この会社は7年いました(倒産)。次についた仕事は、地質の調査です。機械設計は本当にしたい仕事ではないと感じたので、1から新しく勉強するつもりで、採用となったのがこの会社です。 この会社は9年いて会社都合で2009(平成21)年に退職。20代後半くらいから、自分に使命があったらそれを果たしたい、それから、独立したいという思いがふつふつ湧いてきて「いつか独立を」と時々考えていたこともあり、これからどうしようと思いました。そこで当時既に知っていてそのとき再び注目したのが、おお麻(ヘンプ)です。この時の決断が今に至ります。 2.おお麻(ヘンプ)との出会い おお麻に出会ったのは、2001~2002年です。京都から来られた方、吉本徹也さんが高松市内で、おお麻にまつわる個展をされていました。そこで、吉本さんと話をしたり、おお麻の衣を試着したりしました。この時おお麻はテレビ朝日の30分番組『素敵な宇宙船地球号』で、「大麻は森林を救う?!!」(1998年11月15日放映)のような感じで地球環境にいいようなことを知っていましたから、行ってみようと思いました。 それから、おお麻のことは時々思い出す程度でしたが、その5年後にオープンヘンプギャザリングというイベントが高知であって、それに参加したのが転機。なぜならはじめて、おお麻の服を購入、着るようになってその着心地、肌ざわりに感嘆したからです。肌になじむというか。服で着心地がいいと思ったのははじめての体験でした。 2009年、これからどうしようと考えていた時、愛媛県今治市の織り職人が織った素敵なヘンプの衣料(2013年に製造中止)に出会いました。経済産業省のものづくり日本大賞を受賞された方の製品です。これを売っていったら面白いのでは?と思い、物事の流れが一気にそっち方向に行きはじめました(これが、さぬきいんべを創業したきっかけです)。
3.讃岐忌部(いんべ)と出会って 忌部氏の話を聞いたのがその2年前の2007年。(2002年頃に四国の古代史について書かれた本を読み、忌部氏のことがその本に登場しますがそんなに意識していませんでした)阿波忌部の研究をされている林博章先生が講演に高松に来られました。知人の紹介で古神道の修行をしていたので何か話がつながるかもと思い、参加しました。ここで、おお麻と阿波忌部がつながりました。 それから、空海の足跡、忌部氏にまつわる場所などをたずねるようになって、会社が休みの時に前述の修行に行ったり、気になるところへ行ったりしていました。高野山、高知・御厨人窟(みくろど)、土佐神社、奈良・大神神社、狭井神社、島根・出雲大社、物部神社、徳島・大麻比古神社、忌部神社、矢野遺跡、香川・出釈迦寺、善通寺、野田院古墳、、まだまだ他にも。 前記の素敵なヘンプ衣料に出会って当時住んでいた香川県で、おお麻を広めたいと思いはじめた2009年、紹介された方から讃岐忌部の話をうかがいました(その方はかつて香川の地を麻を植え開拓した讃岐忌部の研究をされていました)。その後、屋号は「さぬきいんべ」に決定。コトの流れからいって、これしかない、これしか思いつきませんでした。漢字にしなかったのはわかりやすさを優先したからです。 4.理想社会の実現に向け 2011年の東日本大震災は衝撃でした。さまざまな教訓があり、以来「理想的な社会」に向け加速しはじめた気がしています。 戦争、エネルギー、経済、医療のこと、廃棄物のこと、食、そして地球環境、、さまざまな問題がない社会、、つまり全人類が願うような理想的な社会が実現したらいいなと思うのは私だけでしょうか。結婚、会社倒産、がん手術、離婚などを体験した人生振り返って私はその目的に向かって何かさせていただかないとと思うんです。 近年、おお麻の日本での栽培面積は約6ヘクタールと横ばいで推移しています。しかし世界を見渡せば、産業用ヘンプは先進国を中心に生産・利用の両面で急速な発展を遂げているそうです。私は理想的な社会を実現していくにあたり、おお麻を有効活用することが1つのポイントと思います。もちろん昔からつづく伝統文化の次の世代への継承も重要です。世にない製品を次々出していき変革のお役に立てれば幸いです。 さぬきいんべ 代表・加藤義行 最後までお読みいただき、ありがとうございます。 おお麻(ヘンプ)については、こちらをご覧ください。 |
2020-02-25 10:59
創業動機
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