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いま、なぜ、おお麻なのか


おお麻(ヘンプ)製品を販売するようになった経緯、自分の思いをまとめてみました。ご一読いただければ幸いです。(2017.4.4 現状に合わせて改訂しました)


1.おお麻との出会い


2009(平成21)年6月、愛媛県松山市にて行われた麻・ヘンプ研究家、赤星栄志さん(環境科学博士)による講演会「おお麻で地域開発inアジア」に参加しました。

講演会を主催していた方にひょんなことで誘われたもので、当時は香川県高松市に住んでおりちょうどその頃は勤めていた会社を退職していたこともあって、何かこれからの進路、ヒントが見つかればという淡い期待を持って臨みました。

翌日、赤星さんが次の目的地である九州・大分に発つということで、主催者の方といっしょに、大分行きのフェリーが出航する八幡浜(やわたはま)港まで同行しました。

その帰り、なかなかここまで来ることはないからと、愛媛県の無形文化財に指定されている八幡浜市の「五反田の柱祭り」地元保存会の会長と連絡を取って、会ってお話を伺うことになりました。この祭りでは、松明(たいまつ)としてオガラ(皮をはぎ取ったおお麻の茎)を使用します。

会長によると、2007(平成19)年まで愛媛県大洲市におお麻を栽培する農家があって、それを使っていましたが、その農家はいろいろ手間がかかるという理由で栽培をやめてしまい、それで仕方なく、オガラを中国から輸入しているということでした。

〔戦後制定された大麻取締法の関係で現在、大麻草の栽培は免許制(1年更新)になっており、麻織物や神事用など伝統工芸に関わるものを含めて、新規での栽培免許取得は非常に難しいそうです。厚生労働省によると、生産者は1954(昭和29)年には3万7313人いましたが、2014(平成26)年には33人になっており、現在は栃木県を中心に栽培されています〕

400年以上も続いている祭りに必要なオガラが地元で取れたものではない。そのことが何か脳裏に引っかかりました。また同席した主催者の「地元の祭りですから、なんとか地産地消を」と真剣に語りかける姿勢にも胸を打たれました。

このままでは日本の文化がどこかへ行ってしまう。

実際はそれに気づくまでに「自分の本当にしたいことは何か」と1週間ほど考えましたが、国産のおお麻が無くならないように、日本の文化を守りたい、おお麻を日本で普及しなければと思うようになりました。

それで、おお麻商品の流通を起こしながら、おお麻が私たちの生活に必要なものであることを伝えていくことを目標に、おお麻素材の商品を販売しようと現在に至っています。

次は、それまでに知っていた麻のことをヘンプ(Hemp)ということにして、元はヘンプもおお麻も同じ大麻草という植物ですが、その出会いをお話しします。


2.ヘンプとの出会い、そして


オーガニックコットンと並んで自然派志向の定番となっているのがヘンプです。ヘンプの服も持っていますが、コットンとはまた違った肌触りの良さと、どこか癒されるような感覚があって気に入っています。

ヘンプのことは2002(平成14)年くらいから本など読んで知っていました。現在一般に多くの方が言われているのは下記の3つではないでしょうか。

1.ヘンプは環境にやさしい。
農薬や化学肥料がほとんど不要で、約90日で3〜4mにも成長する。また私たちの生活に必要な燃料、食料、衣料、建材など25000種類にも加工品ができる。

2.ヘンプは健康にいい。
ヘンプの衣服は免疫力を向上させると言われている。また麻の実は食用として栄養価が高い。

3.ヘンプは日本文化と密接に関わってきた。
神道における大麻(おおぬさ、大幣とも書く)、しめ縄や鈴縄、生活における畳の縦糸、横綱の化粧まわし、弓弦、凧糸、下駄の鼻緒などに使われてきた。


ただ、その頃はむしろそれよりも古代の四国の歴史や日本各地におお麻(ヘンプ)を伝えたとされる忌部氏などの方に強く惹かれました。
それでその後、数年間は忌部氏や空海の足跡(例えば、徳島の大麻比古神社、高野山など)、それにまつわる場所を数多くめぐりました。

ヘンプの衣類を身に付けだしたのは2007年頃です。その風合いや肌ざわりにそれまで感じたことのない本来の自分に帰るような気がしました。

しかし、いいものなんだというのはわかるんだけど、、、せいぜい愛用者くらいの気持ちでした。では、なぜ前述した八幡浜・五反田の柱祭りの話には心が動いたのでしょうか。


3.日本文化の源流、古神道に行き着く


1993(平成5)年頃、22,3歳のときです。その頃は自分で考える自分の限界を感じていて、このままでは自分は一生このままだ、変わることができないと考えていました。そんな時、神道系の信仰を勧められました。それから礼拝したり、勉強会に参加したり、布教したりしていました。その頃は自分の意志もありましたが、周囲に流されるように活動していたと思います。

しかし、29歳のとき転機が訪れます。知人に勧められた1冊の本が決め手になりました。「この道しかない」と思っていた自分にとって、その本は目からウロコでした。自分を映し出したが鏡が世界そのもの、自分自身がすべてを作り出しているというようなことが書いてあって、それまで周りに依存しきっていたこと、団体そのものを盲信して周囲に振り回されていたことに気づきました。それから、自分の使命って何だろう。使命があるのなら、それを果たしたいという思いが強くなって、これからは自分の足で立っていこう、自立しようと決意し、宗教を離れました。

それで、使命を仕事に求めるようにしました。しかし、そう簡単には行きません。

この時が「このままでいいのか?」という不安と、仕事に「どう対処したらいいのかわからない」という迷いのピークだったと思います。

「これからどうしよう」。

これはもう自分の力ではどうしようもないと思って、1999(平成11)年頃に出会って交流を続けていた知人を訪ねました。「人生どうにもならなくなったら、そこへ行こう」。その数年前から、そう思っていたことを思い出したからです。

その時、知人は会社経営をしながら神社の神職になっていました。その神社では、修行座という日本の精神文化の源流である古神道の奥義を広く一般に相伝するための講座が開かれていました。初めての修行中、涙がとめどなくあふれてきました。理由はわかりませんでしたが、それまでの辛かったことや我慢してきたものが一気にあふれ出たのかもしれません。神道的に言えば、罪やけがれを祓った状態だと思います。とにかくすっきりしました。

神道とは「天地自然を教典とした命の信仰」であるといいます。具体的に一言で言えば、天地自然、社会と身の回り、そして親・先祖との縁(つながり)を大切に、大切なものを大切なこととして生きていくということです。また息こそが命であり、息をすることが生きるということなんだとわかりました。

それまで様々な出来事を経験してきた分、この神道の思想に共感できたのだと思います。こんな素晴らしい教えが元々日本にあったんだと。しかも押しつけではなく自然に溶け込むような形で古代から連綿とその思想は受け継がれてきています。


4.おお麻の普及、おお麻文化の復興に向けて


神道では、大麻(おおぬさ、大幣とも書く)という祓いの道具があります。しめ縄や鈴縄を含めて、これらは昔からおお麻で作られていました。伊勢神宮のお札を「神宮大麻」というのもそれを表しているそうです。おお麻は、罪やけがれを祓うものとして、また神の依り代として力を持っていると古代から信じられてきました。それが今、おお麻ではないものに変わってきているのです。

神社でビニル製のしめ縄をご覧になったことありませんか?

いまは大麻取締法という規制の関係で、おお麻は自由に栽培することはできません。戦前までは何でもない身近なものだったそうです。しかも国内のおお麻農家は年々減り続けており2014(平成26)年現在で、33名しかいません。

また古代には当然のことだったと思われるおお麻の持つ神聖さや霊力がわかる人が少なくなってきたように思います。このままでは、はるか縄文時代から続く世界に誇れる精神文化が、ただ形式だけのものになってしまうかもしれません。

2014(平成26)年9月、京丹後で勾玉づくりをしている青舟さんのご紹介で、京都で神社仏閣用麻製品を製作する株式会社山川の現在5代目となる山川正彦さんとご縁をいただきました。

同社は1886(明治19)年創業の老舗で、ずっと神社のしめ縄や鈴縄、お寺の鰐口紐の調整をされておられます。

山川さんとさまざまなお話をする中、その翌年いっしょに徳島県木屋平の三木家住宅(国指定重要文化財)へ行きませんかという話になり行ってまいりました。三木家は阿波忌部の直系で代々、歴代天皇の践祚大嘗祭にアラタエという麻織物を献上してきた家です。第28代当主・三木信夫さんとお会いし、お話をうかがうこともできました。


日本人を日本人たらしめているのが神道だと思います。そしてそれは相撲や武道をはじめとして、外から日本に入ってきた仏教の中にも先祖を敬うものとして日本の文化の中に溶け込んでいます。礼儀や情緒を重んじるところ、美を尊ぶ心、「もったいない」と物を大切にする心、相手を敬う敬語の日本語の美しさもそうでしょう。

自然を尊ぶのも神道の思想だと思いますが、神社に付きものの森も、哲学者の梅原猛さんいわく「縄文文化は日本の基層文化であり、森の文化だ」とおっしゃっています。

大切なものを本当に大切なこととして生きていく。

今こそおお麻の普及、そしておお麻文化の復興が本当の意味で求められていると思います。

これからも、おお麻の普及、おお麻文化の復興につながる活動をしてまいります。
よろしくお願いいたします。



さぬきいんべ 代表・加藤義行


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
おお麻(ヘンプ)については、こちらをご覧ください。


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